伊勢原ロータリークラブについて
卓話
[2481回 例会]佐伯 妙有氏
「伊勢原ひかり幼稚園」と「光明院」というお寺を運営しております佐伯です。つい先日ですが、3.11東日本大震災で亡くなられた方を3月にご供養するために下見で東北の三陸に行きました。仮設住宅もたくさんあり、もう6年経っているのに更地の場所も多くまだ大変な状況でした。大川小学校という学校をご存知でしょうか?生徒達が70人近く亡くなってしまった学校です。実際にこの学校の場所行くと津波が見えない場所で近くの山も崖のようでした。当時は雪も降っていて滑りやすい状態だったそうです。私もお子さんを預かる仕事をしていますので先生方の避難判断も難しかっただろうなということがよくわかりました。
さて、ここからは幼稚園のお話です。ついに出生数が100万人を切りました。これから加速度的に出生数は減っていくと予想されます。伊勢原でも「29年度問題」と呼ばれ人口はこの年を境に下がっていくだろうと予測されています。現在もお母さんが働きながら子どもを幼稚園に預けられる環境整備を政府がすすめていますが、まだ足りません。伊勢原市でも子どもの医療費を小学4年生から6年生まで無料に引き上げたりしています。
幼児教育の現場では、これまでは幼稚園、保育園が幼児を育てる役割を担ってきましたが、27年度から「こども園」という新しい幼児教育が始まっています。これは内閣府が管轄するもので幼稚園と保育園の両方の良さを併せ持った施設です。こども園には数タイプがあり、「幼保連携型」「幼稚園型」「私学助成」などに分かれています。伊勢原にもすでにいくつかのタイプのこども園があり、それぞれに特徴があります。では、幼稚園がどうしてこのようになってきたかというと、「学校教育のスタートが幼稚園である」という考え方が強くなってきたからです。
来年、教育要領の大改訂が行われます。これまでの小中高の教育内容は先生からの一方的な教育でした。これからは生徒が主体的に学んでいく教育になっていきます。大学入試はセンター試験がなくなり受験は面接と小論文に、仕事でも10年後なくなる可能性の高い職業が沢山あるので、今の子どもたちは新しい職業に就く可能性が高いと思います。主体的思考ができる人間をどう教育していくか?それには非認知能力というものが大切になってきます。非認知能力とは「意欲」「協調性」「粘り強さ」などの能力です。自己肯定感を育み、チェレンジしようとする気持ちを育てる。これが大事だと思います。実際、アメリカの研究では非認知能力がある子どものほうが大人になるにつれ活躍することが多くなることがわかっています。
私たちひかり幼稚園も子どもたちが主体的に学べる環境を用意し、非認知能力が育まれるような幼児教育を今後も積極的に行っていきたいと思っております。少しとりとめのない話になりましたが、幼稚園の現状がほんの少しでもわかって頂けたら嬉しいです。本日はご清聴ありがとうございました。
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