Isehara Rotary Club DISTRICT2780

伊勢原ロータリークラブについて

卓話

[2482回 例会]遠藤 郷平氏
2005年に定年退職したわけですが、それまで40年近く仕事をやってきて、「何も残してない…」ということに気付きました。そこで「何かやろう!」と思い、2006年の3月に会社を設立いたしました。サラリーマン時代には新しい商品を開発しても大手のOEM商品でした。OEMですから商品名はメーカーのもの。ですからサラリーマン時代には作りあげた喜びというものがありませんでした。定年後振り返ったときに「自分が作った!」という感動が欲しいと思いました。そのためまず「大手企業の傘下に入らない」、「大手から研究開発費をもらわない」ということを決めました。資金は公的機関の支援などを有効に使おうと考えました。起業と同時に厚木市のインキュベーション事業の支援を受けることができ、厚木市のアクスト内に会社を構えることができました。社名は環境に貢献する電子機器をという想いを込めてエコロジーの「e」、メカトロニクスの「m」、テクノロジーの「techno」を冠した「有限会社イ・エム・テクノ」。資本金は100万円でした。その後すぐ商法の改正があり、株式会社イ・エム・テクノに変更。このときに当クラブの会員である野中さん、荒巻さんが株主となってくれまして資本金1000万円に増資することができました。

開発する商品については、それまでの自分の経験を活かして「早期自然災害予測システム」の特許を取得し「移動型・地すべり検知センサー」を開発。自然災害発生の早期予測可能な商品として事業化を目指しました。これは大手は採算が取れないのでやらない分野です。当時、地滑り感知の主流は「ワイヤーセンサー方式」で、地滑りが起きそうな場所にワイヤーを張って、伸びる・切れるなどの異常を感知して警報を出すものでした。しかしこの方式では、ワイヤーの設置費用が相当高くかかります。そこで、加速度センサーを使ったセンサーを開発。改良を重ねながら安価な製品に作り上げたところ、需要も高く、神奈川県の工業大賞をはじめいろいろな賞も受賞いたしました。またレスキュー現場で隊員が携帯できるような小型センサーを開発できないか?という依頼があり崩落・倒壊検知センサーを開発しました。その後の2014年末には2社の商社と販売代理店契約をし、消防庁・警察・防衛庁等に本格営業を開始。この時、契約先の代理店より「官庁営業は開始して予算が取れるまで3年程掛かりますので、それまでは、我慢して土木関係方面で実績をつけてください」と言われました。この期間、松山、大阪、山形、広島 熊本の土木工事業への商品販売や設置を行い、実績を作りながら今に至ります。今年が3年目の年になりますので正念場と思っております。
終わりに、箱根・大涌谷で実施したドローンを使った地滑り計測ついて。これは危険な場所でも使用できるドローンを使ってセンサーを地面に投下して地滑りを計測するというやり方です。ドローンは千葉、操縦は八王子の会社に依頼いたしました。センサー本体は火山ガスにもの耐えられる材質にし、アンテナ等も内部に収納されています。最高で15mから落下させても大丈夫な強度で設計してあります。ドローンを使ったセンサーは大涌谷に3台設置されており現在も稼働中です。

事業はまだまだこれからが勝負ですが、健康に留意しながら生涯現役で頑張るつもりでおります。本日はご清聴有難う御座いました。

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ACCESS

伊勢原ロータリークラブ例会会場 和膳 照國
〒259-1133 神奈川県伊勢原市東大竹937-1/TEL:0463-92-1919

http://wazen-terukuni.com/

●小田急線伊勢原駅南口より平塚方面へバスで5分、馬渡停下車。
●伊勢原街道(61号線)沿い。
●伊勢原駅から1,326m
●送迎バス有り