■職業奉仕とは
・ロータリーの由来：会員の職場を例会場としていたことで、「ローテーション」からロータリーとなりまし　た。この伝統が残っていて、自分の職業を紹介すると言うことが卓話として現在まで続いています。
・ロータリーの目的：知り合いに広めることにより、奉仕の機会とする。
職業上の高い倫理基準を持って、役立つ仕事は全て価値あるものである。
奉仕の理念により結ばれた職業人が世界的ネットワークを通じて国際理解・平和を推進すること。
＜職業奉仕の概念＞
職業上の高い倫理基準。役立つ仕事は全て価値がある。ロータリアン各自の職業は高潔なものとする。
例会で各会員がそれぞれの職業について語り、お互いの職業について学び合う。地域社会での奉仕プロジェクトで職業スキルを活かす。高潔さを重んじて、仕事に取り組んで言動を通じて模範を示し、倫理的な行動を周囲に促す。若者のキャリア目標を支援する。専門能力の開発を奨励し指導する。
＜高潔性と倫理＞
ロータリーは高潔性と高い倫理を重視している。四つのテストとロータリアンの行動規範を生み出した。これは職場や生活のあらゆる場面で、倫理的行動を実践するための指針となっています。
＜四つのテストの歴史＞
1932年ロータリー会員であるハーバード.J.テイラーによって作られました。四つのテストにしたがって仕事をさせ、倒産寸前の会社を立て直しました。以後、多くの言語に翻訳されて全世界のロータリアンにより推進されている。
＜ロータリアンの行動規範＞
地域社会のニーズに取り組み、支援を必要とする人達が、自らの力で生活を立てて行けるよう支援するために、職業の知識とスキルを活用することが求められている。クラブでの活動や職業を通じて職業奉仕を実現できるよう実践的なアイデアを紹介した手引きが職業奉仕の手引きです。
職業奉仕とはロータリー用語であり、ロータリー特有の考え方。
職業→仕事をしてお金を稼ぎ、生きていくための手段。自分のためのもの。
奉仕→世のため人のため、自分以外の人のためのもの。
ロータリーでは世のため人のために奉仕する心を持って職業を営むと言う考え方。非道徳的、非社会的行為をしてお金儲けをしてはいけない。世のため人のためになるような金儲けをしなければならない。職業に対して倫理性を強く求めている。
ロータリークラブ以外の奉仕系クラブは、弱者を助けなさいと言う考え方。個人の職業倫理は排除している。悪いことをして儲けたお金で奉仕すれば少しは救われると言う考え方である。これに対し、ロータリーは職業の心も奉仕の心も一つと考える。
職業を通して人の役に立つこと、すなわち奉仕である。
ロータリーが創設された20世紀初めは資本主義の矛盾が噴出した時期で醜い資本家の欲望が労働者を搾取した時代でした。安い労働力を使うことが利潤を増す鍵となり、労働者の貧困、失業問題が出て、無秩序な自由競争による経済競争が大きな社会矛盾を生んだ原因になりました。法さえ侵さなければ金を儲けたものが成功者としてアメリカン・ドリーム達成となりもてはやされた時代でした。人を騙して儲けた人間が疑心暗鬼になり、疲弊し、友達もいない状況だったことから、何でも話せる友達がいたらどんなにいいだろうと言うところからロータリーは生まれました。出発は親睦を目的としていました。物質的相互扶助と言う考えが起こってきました。1908年に入会したアーサーフレデリックシェルドンが奉仕の理念をロータリーに提唱し、採択され物質的相互扶助と結別しました。
世界的大恐慌の時に、四つのテストを提唱したのがロータリーです。四つのテストは倒産寸前の会社を立て直すための純然たる経営上の指針であると言うことで、その使用を事業上の取引に限定すると共に、邦訳や解釈を厳密にする必要があります。四つのテストはあくまでも事業上の取引に使用するものであって、普段の生活に使用するものではありません。四つのテストは一つずつやるのではなく、四つ一緒にやらなければなりません。
「真実かどうか」：事実であるかどうかと訳します。
「皆に公平か」：公正かと言うことです。
「好意と友情を深めるか」：商売上の信用を高めて取引先を増やすことを表します。
「皆のためになるかどうか」：その商取引によって全ての取引先に利益をもたらすかと言うことが元々の訳です。
これらから出発してロータリーは地域に貢献する現在の商業奉仕の理念を築いています。