伊勢原ロータリークラブについて
卓話
[2621回 例会]高梨 浩樹氏
●クリーニングについて
平成28年12月に洗濯表示がJIS規格からISO規格の表示に変わりました。大きな変化は家庭で洗うときの表示に加えて、商業クリーニングの表示ができたことです。
洗濯で一番よく落ちるのは温水で洗うことです。人間の体温が37~38℃と言うことを考えると手首や襟首の汚れはその温度で溶けるので、40℃くらいの温水が進化した洗剤よりもよく落ちます。部屋干しで臭いが気になる洗濯物も温水で洗うことでかなり臭いが軽減されます。
●クリーニング店の推移
92年をピークに減少傾向にあります。
原因:家庭用洗濯機と洗剤の進化
アパレル市場の縮小・ファストファッションの台頭
中古市場の拡大
クリーニング店の人材・知識・技術不足
コインランドリーの増加
消費動向が所有から利用へ(スーツ等のレンタルが増えている)
●ドライクリーニング
水を使わず、揮発性の溶剤で洗うことをドライクリーニングと言います。
起源はそんなに古くなく、1825年にパリの仕立て屋がテレピン油をテーブルクロスにこぼしたら、汚れが落ちることを偶然発見したとされています。その後世界中に広まり、日本では白洋舎が明治40年に初めてドライクリーニング工場を設立しました。
ドライクリーニングの溶剤は沢山ありますが、日本ではほぼ石油系の溶剤を使用しています。水より石油系溶剤の方が繊維の負担が少なくすみます。
●シミ抜き
洗濯で取れない汚れは染み抜きをします。シミは層になって生地についているので、1枚ずつ剥がすように適切な薬品を用いて温度・濃度・時間を組み合わせて生地の変化に注意を払いながら除去して行きます。技術が必要な地味な作業です。
●クリーニング店でできる染み抜き・生地の補正
・脇、衿周りの黄ばみ、汗染みの除去
・アクリル絵の具の染み
・ズボン前の黄変染み抜き
・インクの染み抜き
・毛染めの染み抜き
・家庭で染み抜きして脱色したデニムの染色補正
・アグブーツの染み抜き
・家庭洗濯で縮んだアルマーニスーツの復元
・日焼けによる褪色の色修正
・リアルファーの色抜け修正
シーズンを終えてクローゼットにしまう前にはキチンと手入れをすることをお勧めします。
時間が経つとクリーニングだけでは除去できなくなり、結果的に余計な出費を余儀なくされます。
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