Isehara Rotary Club DISTRICT2780

伊勢原ロータリークラブについて

卓話

[2639回 例会]佐藤美成氏
飲食業の食の安全安心についてお話させていただきますが、新型コロナウイルスの影響も考えられますので先ずは、新型コロナウイルス感染症COVID-19についてお話いたします。 いまだ終息の気配すら見えない、新型コロナウイルスによる感染症の拡大。政府も不要不急の外出は控えるように呼びかけており、日本全体がある種の“自粛ムード”に包まれていると言えます。そしてこのような影響が、飲食業界にも直撃しております。飲食店の事業者によると、新型コロナウイルスの影響で、観光客による予約のキャンセルが増えおり、10、20人単位の予約が次々と取り消されているそうです。飲食店はインバウンドの影響を強く受けるので、関係者は苦しいところがあると思います。
そこで今回のテーマとして食の安全安心衛生管理の重要性についてお話させていただきます。
<食品の安全と安心について>
・食べることに関係するリスク
ここより今回のテーマとして食の安全ってなんだろうとして、はじめに食の安全安心という言葉をよく聞きますが、安全と安心はその内容が大きく異なります。食の安全とは、健康に危害を与えるようなものが食品混入することを防止する努力であり、その対策は、混入の過程に悪意が存在するかどうかでヒューマンエラーと意図的に異物を混入する食品テロの2つに分かれます。
一方、食の安心とは、食品の安全が守られいることへの確信、あるいは食品の安全を守ろうとする企業や行政への信頼の問題であり、このような信頼を大きく損なうのが表示の偽装などの企業倫理の欠如、すなわち企業統治コーポレートガバナンスにかかわる問題です。食品は農水畜産物の生産、それらの原材料にした加工食品や冷凍食品の製造、それらの輸送、小売店や外食店での販売といった経路をへて消費者に提供されます。
この流れをフードチェーンと呼びます。フードチェーンの途中で基準を超える農薬や食品添加物や放射性物質の残留、食中毒菌などの有害微生物やウイルスの付着、異物の混入が起こることで食品の安全が損なわれます。食の安全は、衛生管理の徹底をする事で食中毒などの健康被害を起こす事が無いよう努力することが皆様に安全安心な食を提供できるのです。

食の安心とは・・・・・
食品安全委員会が行う食に対する不安の調査の結果を見ると、食品添加物、農薬、有機微生物 細菌やウイルスによる食中毒等、遺伝子組み換え食品、放射性物質などの項目に対して50%以上の人が不安と答え、有機微生物細菌やウイルスと放射性物質については、80%近くが不安と答えています。
これらの項目で実際に食中毒などの健康被害を起こしているのは有機微生物細菌やウイルスだけで、残りの項目は厳しい規制により安全が守られています。
一方、安全情報は、無視しても生命や健康になんの危険もありません。世の中にあふれる情報量のほとんどが、メディアによる危険、怖いという情報ばかり広がり、多くの人が誤解をしているのが現状です。

食の安全の心掛け・・・・・ 
飲食業に関わる全ての人にとっていくら美味しい料理、良いサービスが出来ていても、食の安全性の意識が乏しいと事故につながります。
食の安全とは、まず衛生管理、在庫管理、健康管理、整理整頓これらが大きな要素であると考えています。まず衛生管理です。手洗いはとても大切です。
菌を増殖しないように食材を常温に放置することなくし、速やかに加熱したり適正な温度で保管することが大切です。
では適切な調理を行っていると絶対に安全といえるのでしょうか?絶対に安全だと言い切れる食材などはありませんが、少しでも食中毒を未然に防ごうとする気持ちがないといずれ事故を起こしてしまうかもしれません。ですから食の安全を追求する意味でも納品された食材は迅速に調理する、もしくは冷蔵庫にしまい少しでも菌の増殖を防ぐことが大事になってきます。
先入れ先出し。消費期限に達していなくても一度常温におき開封した食材はそこから菌が入り増殖する可能性があるので出来るだけ早く使い切るようにします。
飲食サービスの5Sとは、目的の「清潔」を達成するために、「整理」、「整頓」、「清掃」を行い、確実に実施するための基礎としての「躾(しつけ)」が位置づけられます。
外部からのリスクを持ち込まないために、まずは信頼のおける仕入れ先を利用することが大事です。汚染された食品の納品を防ぐことが重要です。
菌を持ち込まないために、食材の検品・受け入れの際は必ず立ち会い、①品質・鮮度・包装の破れなどが無いか、②数量、③消費期限、④商品の温度を確認します。劣化した食材など、条件に合わないものはその場で返品します。そして受け入れ後は、速やかに正しい保管方法で保管します。

長寿社会と食・・・・・
平均寿命は男女ともに年々伸びています。
平均寿命を知るための完全生命表の調査は明治時代に始まり、第1回目実施調査(明治24~31年)では平均寿命は男性42.8歳、女性44.3歳だったといいますから、近代に入り日本人が急速に長生きするようになったことがわかります。
私たちは、一生の間に何回充実した食卓を囲む(食事を行う)事ができるでしようか。平均寿命から考えた場合は、約9万回。90歳以上生きた場合は10万回ほど食べることになります。90歳以上まで元気でいたとしても10万回の食卓を豊かにたのしめるのは至難のわざでしょう。だからこそ、一回一回の食事を大切にすることが必要だと思います。
一生のうち一食でもおいしく食べたいのなら適度な運動が大事です。健康であれば美味しく食事ができます。3食以上食べても太りません。

皆さんに伝えたいこと・・・・・
どういう食事でなければならない、ということを強制することはできません。しかし その選択は安全でしょうか? あえて危険なものを選んではいないでしょうか? 選択によっては、自らの健康や家族、地域、さらに生産地や地球環境にまで影響を及ぼす可能性があります。
思い込みやフードファディズム(food faddism)
で安全がおびやかされている時、正しい選択肢ができるよう皆さんで努力いたしましょう。
正しい情報で残り数十万回の食事を安全安心な物にして戴きたいと思います。
食に対する適切な判断力、健全な食生活が 健康確保、安心できる食生活をおくる事が出来ます。

株式会社セゾオンは、皆様に安心していただける食を供給しつつけるよう日々努力してまいります。 ご清聴ありがとうございました。

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